電力事業の根幹を支える需給管理丸紅新電力の運用スキルは他社の追随を許さない 事業部 運用課 課長 吉岡 匠

24時間、365日… 絶え間ない、地道な作業が電力ビジネスを支えている。

私たち運用課の仕事は、新電力事業における「需給管理のフロント業務」です。

具体的には、契約需要家の需要量予測、その需要量に見合った発電量の調達、卸電力取引市場での取引業務、広域的運営推進機関への計画提出業務を日々行っています。

運用課では、需給バランスの管理を24時間、365日体制で実施しています。電力という商品は貯めておくことができないため、需要が発生した瞬間に、それに応えるだけの発電を行う「同時同量」の運用が求められます。そのため、できるだけ高い精度で需要を予測する必要があるのです。需要予測にあたっては、当日の気温や降水量などの気象情報をもとに複合的な分析を行います。また、コンサートやスポーツイベントなどの開催予定も事前にヒアリングし、きめ細かく需要量を予測します。

それでも、気象の急変、発電所トラブルなどの突発的な要因によって需給バランスにギャップが生じることは避けられません。そんなときには発電所に連絡して発電量を増やすよう要請するほか、卸電力取引市場での取引や地域間連系線などを活用した調整も行います。

需要と供給にインバランスが生じると、より高いコストで電力を調達しなければなりません。お客様に適正な価格で電気を送り続けるためには、高度なシステムと、経験に裏打ちされた、きめ細やかな運用ノウハウが不可欠なのです。その意味で、2000年の事業開始以来15年以上の長期安定供給実績を持つ丸紅新電力の高度な運用スキルは、他社の追随を許さないレベルだと自負しています。

「ついにこの会社で、電力市場に打って出るんだ」丸紅新電力設立で感じた、高揚感と緊張感。

新会社・丸紅新電力の設立にあたっては、「ついにこの会社で、日本の電力市場に打って出るんだ」という高揚感がありました。私は前身の会社を含めると約10年国内電力事業に携わってきましたが、初期の事業部では、10名足らずのスタッフが営業、需給管理、料金収受業務などあらゆる仕事を兼務して行っていたんです。その時代を知っている者の1人としては、非常に感慨深いものがありますね。

現在の社員は約50名、若手の人材も厚みを増しました。草創期から培ってきた経験を彼らにしっかりと伝えなければと思う一方で、私のようなベテランも過去にしがみつくことなく柔軟な発想で、新たにチャレンジしていきたいという思いを強くしています。

同時に、これからは「丸紅新電力」というブランドでお客様と向き合っていくことになりますから、お客様に安心して当社の電気をお使いいただけるよう、日々の需給管理業務をこれまで以上に確実に遂行しなければならないという、身の引き締まる思いでもあります。

今後は、一人でも多くのお客様に「丸紅新電力のファン」になっていただき、長く愛されるようなブランドに育てていかなくてはなりません。お客様と直接、顔の見える関係を築いていくのは営業担当スタッフですが、運用部門を預かる責任者としては、彼らに「需給管理は任せておけ、君たちはしっかり電気を売ってこい!」と言えるような仕事をしたいですね。

ダイナミックな変革期を迎えた国内電力ビジネスは、若手が活躍できるステージ。

今後、丸紅新電力がシェアを増やし、会社の規模が大きくなっても、「日々の需給運用をきっちりと行う」という電気事業者としての仕事の根幹は変わりません。

一方で、電力システム改革のプロセスにおいては、今後、発送電分離や新しい電力取引市場の開設など、さまざまな施策の導入が予定されています。こうした施策にタイムリーに対応できるよう、国内制度や海外事例の理解、人材育成、システムの整備などを着実に実行することも並行して進める必要があります。こうした変化に着実に対応することで、競争力があり、かつお客様に安心して利用していただける会社として確固たる地位を築いていきたいと思っています。

国内電力ビジネスは、いまダイナミックな変革期を迎えています。もちろん経験と知識は必要ですが、若手が活躍できる可能性を秘めたステージです。

新たに仲間に加わる人に対しては、まず「業務管理・時間管理をしっかりできる人」であってほしい。特に需給運用は24時間365日絶え間なく続く業務ですから、ひとつひとつの仕事をきっちり正確に、期日までに遂行できる素養が求められます。また、電気事業に関連する制度を理解したうえで、柔軟な発想で、業務改善に向けた具体的なアクションを起こすことができる人を歓迎します。あと、天候の変化を敏感に感じることができる人も大歓迎です。あなたの能力を、ぜひ電力の需要予測に活かしてください(笑)。